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構造設計

 私たちは、手計算とGrasshopper(モデリングソフト)の双方を用いて、構造上の問題を解決しつつ、意匠性を損なわないような形態を探っていきました。

 まずは、全体の構造をモデル化して手計算で検討を進めました。全体の構造でクリティカルになるのは風荷重を受けた際の足元での曲げモーメントと予想できます。3本のCFRP丸棒が束ねられ、足元に掛けて徐々に間隔が広がっていく様子を、ある点までは曲げ応力を受ける片持ち梁、足元付近は軸力を受けるトラスとしてモデル化し、成立条件の検討を行いました。また、基礎に関しては、ロッドの曲げによる長期荷重と風荷重によるモーメントで転倒しないように計算した上で、鉄板の寸法やペグの本数を決定しています。

 風荷重による変形の解析や、ロッドや帯の形状設計は、Grasshopperを用いたシミュレーションによって行いました。風荷重による変形は、風速や風向きを変えながら解析を行い、安全性や意匠性に問題がないかを確かめました。また、各ロッドは異なる径のCFRP丸棒を繋ぎながら、スペーサーで3本を束ねることで構成しています。設計変数にはCFRPの径の分布、初期曲げの与え方、足元に向けて徐々に広がり、先端に向けて扁平な三角形になるスペーサーの形状がありました。これらの設計変数を変えながら剛性の分布を探索することで構造的に強く、意匠的な意図に沿うように曲がるロッドを設計しました。ロッドの設計形状が確定したら、そこに帯を張っていきました。最初に、等張力膜によるシミュレーションによっておおよその形態を定めました。しかし、実際に使用する帯は線状の材料ですので、膜とは異なります。両者の応力状態の差分を最小にすること、意匠性の観点からなるべくランダムに見えるようにすることの両方を満たす帯の張り方を模索しました。

 以上のような過程を経て、構造と意匠の両立したパビリオンが設計されました。

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