UT
ARCHITECTURE
PAVILION
2022
五月祭を終えて
第95回五月祭が2022年5月14・15日に開催されました。建築学科パビリオンでは工学部前広場でのパビリオン『変容の器』の建設・展示に加え、工学部一号館2階製図室でのパビリオンの設計プロセスについての展示『建築の生まれ方』、工学部一号館4階T-BOXを利用したデジタルファブリケーションワークショップ『建築学生と作るActive Textile』を実施し、いずれも盛況のうちに終えることができました。ご来場頂いた皆様も、オンラインでご覧になられた皆様も、大変ありがとうございました。本企画は昨年の11月に発足して以来およそ半年間にわたって学生主体で運営されてきました。五月祭当日の雨天予報や建設直前での資材調達のトラブルなど、多くの困難を抱えつつも無事に公開へとたどり着けたのは学生の運営メンバーのたゆまぬ努力のみならず、多くの先生方や関わってくださった皆様のご尽力があったお陰です。ありがとうございました。企画について振り返りますと、1番の頭痛の種だったのは天候の問題でした。直前まで五月祭の期間中の強い雨が予報されており、屋外に建設できるか、屋内への建設となるかが不透明でした。幸いにも5月13日の朝の時点で天気予報が好転し、五月祭の開場期間はほとんどの時間で降水がないという予報でした。そこで屋外への建設を決行することといたしました。雨天の中で作業は難航し、13日中に終える予定だった建設は14日までもつれ込みました。14日には佐藤淳先生が駆けつけてくださり、ご指導の下でパビリオンがみるみると形になっていきました。15日には来場者の方が自由に出入り出来る形での公開となり、多くの方々にご覧いただきました。14日、15日は天気予報通りほとんど降水がなく、良い状態でパビリオンの展示を出来たことがとても嬉しかったです。
屋内の展示はパビリオンの設計プロセスを解説するもので、説明を印刷した紙を上から垂らすことで空間を分節し、展示物自体で展示空間を構成しました。展示内容には難しい内容も多かったですが、熱心に読んでくださる方が多かったのが印象的でした。
ワークショップはパビリオンと原理が通底する、ベンディングアクティブによる曲面状のテキスタイルを参加者自身がデザインしてその場で作れるというものでした。親子でいらっしゃっている方から、デジタルファブリケーションの専門家まで幅広い層にご参加いただきましたが、それぞれに制作を楽しまれているご様子でした。本企画は私たち建築学科の学生にとってほぼ初めて自分たちの手で実際の空間を作り上げる体験でした。実際の材料に向き合い、自分たちの手で一つの建築へとまとめ上げていく過程で建築の面白さ、難しさを実感を伴って大いに学びました。このような体験の機会を得られたことを大変嬉しく思います。この体験を胸に、今後もさらに学びを深めていきます。
東京大学 工学部建築学科 四年 上條陽斗